「上層部」の協力を得て「働き方改革」を加速させる
また、マネジャーは、「中間共有会」に上層部(直属の上司やさらに上位職の人物)の参加を取りつけておくようにしてください。
マネジャーは、「働き方改革」を始める時点で、上司に取り組みの目的や内容を伝えて賛同を得ておくとともに、途中経過についても随時報告しておくことが大切です。その際に、「中間共有会」にも出席してもらえるようにお願いすれば、ほとんどの上司は快く参加を表明してくれるはずです。
そして、「中間共有会」では、上層部に対して、チームで進めてきた「働き方改革」の内容と成果・課題などを発表します。このときに重要なのは、すべてのメンバーの名前を紹介しながら、そのメンバーが貢献してくれたことを上層部に伝えることです。その承認を受けて、きっとメンバーも肯定感を高めるはずです。
そのうえで、「中間共有会」の最後に、上層部から感想を述べていただきます。ここで、メンバーの努力をねぎらう発言をしてもらえるように、マネジャーは事前に、上層部にお願いしておくといいでしょう。そして、そのような上層部の発言を聞いたメンバーたちは、「自分たちの取り組みには意味がある」と実感して、「後半はもっとドライブをかけて頑張ろう」と、モチベーションを高めてくれるのです。
また、上層部に参加してもらうことには、もうひとつ重要な意味があります。それは、彼らに、これからの「働き方改革」の応援団になってもらうということです。
「働き方改革」の前半戦では、「難易度が低く効果が高い」ことにチャレンジしてきましたが、後半戦では、より大きな効果を生み出すために、「難易度が高く効果が高い」こと、すなわち、他部署や取引先を巻き込む「働き方改革」にチャレンジしていく必要があります。そのためには、上層部の理解と応援が不可欠だからです。
特に、「自分たちでやれることはやっていて、さらに先に行くためには、どうしても他部署や取引先の協力が必要である」ということを理解してもらうことが大切です。そうでなければ、「自分で努力もせずに、周りの協力を求めるのはスジ違いだろう」と反論されかねません。
ですから、「中間共有会」では、上層部に対して、これまでの取り組みの成果を示すとともに、いくつか苦戦していることがあって、自分たちだけでは限界があることを上手に伝えるように工夫してください。そして、「ならば俺の出番だな、応援してやろう」と上層部の協力を得ることが、「働き方改革」の後半を実りあるものにする重要なステップなのです。優れたマネジャーは、上層部に「俺の出番だな」と思わせる手腕に長けているのです。