コパ・アメリカへの代表招集を巡る
JFAの甘すぎた見通し

 ここで素朴な疑問が残る。なぜコパ・アメリカに日本が出場するのか。実は南米の10ヵ国では大会規模が小さくなってしまうため、1993年大会から原則2ヵ国、基本的にはメキシコやアメリカなど、距離が近い北中米カリブ海サッカー連盟所属の代表チームが招待されてきた。

 日本は次回ワールドカップの開催国として、パラグアイで開催された1999年大会に招待された。その後に招待された2011年アルゼンチン大会では、東日本大震災の発生でJリーグが過密日程となり、選手を派遣することができないと辞退した。2015年チリ大会でも再び招待されたが、FIFAが定めた新たな規定によってベストメンバーを組めない、と判断されて再び辞退した。

 新たな規定とは「大陸選手権で選手を招集する際に各国協会がもつ拘束力を、1年で1大会のみとする」――となる。選手に過度の負担がかからないようにするための配慮であり、2015年1月にアジアカップを戦った日本は、主力をコパ・アメリカへ派遣することが難しい状況にあった。

 同じ図式が今年にも当てはまる。規定の上では、1月のアジアカップに招集された選手を、6月のコパ・アメリカへも招集する拘束力をJFAは持たない。コパ・アメリカ参加を正式に表明した昨年末の段階から、チーム編成に苦しむのではないかと実は指摘されていた。

 FIFAの規定を問われたJFA技術委員会の関塚隆委員長は、自信満々な笑みを浮かべながら、こんな言葉をメディアへ向けて返している。

「両方の大会に出てはいけない、という規定はないので。そこのところはご理解いただければ」

 各クラブとの交渉には技術委員会があたるが、昨年末の時点では大丈夫だろうと、楽観的に考えていたのだろう。果たして、その後の交渉は暗礁に乗り上げる事態が相次いだ。コパ・アメリカへ向けた森保監督のトーンも次第に小さくなり、最近では「察してください」と言うようになっていた。

 アジアカップに招集された23人のメンバーのなかで、引き続きコパ・アメリカに臨むのはDF冨安健洋(シントトロイデンVV)と、MF柴崎岳(ヘタフェCF)の2人しかいない点が、当初の見通しが甘かったことだけでなく、技術委員会が交渉力を欠いていたことも如実に物語っている。