ビデオ判定を行ってきた欧州リーグと
追加副審で対応してきたJリーグの違い

「ヒューマンエラーについては、人間のレベルを上げていくに尽きる」

 眞壁会長はJリーグの理事にも名前を連ねていて、23日に都内で開催された月例理事会で再発防止策をこう訴えた。そして、ヒューマンエラーを補う手段としてビデオ判定を求める声が各方面から上がったわけだが、現状ではDAZNの映像を介して問題のシーンを確認することは許されていない。

 サッカーの競技規則は国際サッカー連盟(FIFA)ではなく、国際サッカー評議会(IFAB)によって管理されている。そして、IFABで決定された規則は、FIFAに所属する各国のサッカー協会が管轄する国際試合および国内試合で適用されている。Jリーグは国内試合に該当する。

 そして、審判団による判定を補助する制度としてIFABが承認しているのは、現時点でゴールラインテクノロジー(GLT)と追加副審(AAR)、そしてビデオアシスタントレフェリー(VAR)の3種類しかない。民間の配信映像などを介して確認することは規則違反となり、抵触した場合はFIFAに加盟する協会へ重大なペナルティーが科されることになる。

 2014年のワールドカップ・ブラジル大会で採用されたGLTは、ハイスピードカメラや磁気センサーを駆使して、ボールがゴールラインを完全に超えていたかどうかを判定。ゴールインの場合は1秒以内に主審の腕時計が振動で震え、同時に「GOAL」の文字が映し出される。

 しかし、スタジアムに機材を設置する場合、初期費用だけで数千万円を要し、さらには試合ごとにランニングコストもかかる。スタジアム内の高い位置、基本的には屋根にカメラを設置しなければならないため、すべてのスタジアムで屋根付きの条件が整っていなければいけない。

 コストを含めた一連の事情もあってJリーグではGLTではなく、AARの導入を進めてきた。4人で構成される審判団に2人を追加し、両方のゴールライン付近に配置。ゴールか否かの見極めや、ペナルティーエリア内で発生するさまざまな事象に対する判定の精度を向上させていく。