ドコモとauから分離型の新プランが発表され、6月からついにスタートした。オトクに使うには結局どうしたらいいのだろうか。

単純な料金だけなら格安SIMの絶対優位はハッキリ

 世間の話題の中心は、ドコモやauの新プランに切り替えると、今現在支払っている料金と比べて安くなるのか、それとも今までのプランを使い続けたほうがいいのかといったものだ。しかし、以前からMVNOの格安SIMというもっと安価になる選択肢があるほか、UQ mobileやY!mobileといった、いわゆる“サブブランド”もある。それらを含めてどう選んだらよいのだろうか。

 まず、チェックすべきは利用料金と高速データ通信量の関係だ。分離プランでは確かに以前よりは安くなっているが、いわゆる格安SIMと呼ばれるMVNOと競い合うレベルまでは下がっていない。

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 この表は家族利用や対応固定回線契約などの割引は一切なしの、1人で普通に契約した場合の料金だ。3大キャリアでは家族で3回線まとめれば1000円程度の割引があるほか、光ファイバーなど格キャリアで対応した固定インターネット回線があればさらに1000円程度の割引が発生する。それらの割引をフルに適用すれば、ようやくMVNOの格安SIMに近づくといってもよいだろう。

 しかも今後は法律でスマートフォン購入費用の割引と回線契約の維持などを絡めてはいけないことになる。今までなら多少月額費用が高くても、端末をタダに近い金額で提供していたことで、総費用で3大キャリアの方がお得になる可能性があったが、それもできなくなる。

 つまり、基本的には通信部分だけの料金やサービス勝負となり、費用だけ見れば格安SIMが優位になる。もちろん、混雑時の通信速度といったサービスの質や付帯サービスといったものには違いがあり、そこでの競争となる。

大手キャリアでも月額980円~で使える割引施策はある

 一方で、大手キャリアがいまだに強化しているのがフィーチャーフォンである従来型携帯電話からスマートフォンへの変更における優遇措置だ。

 5月27日に発表したauの割引「ケータイ→auスマホ割(s)」では期間限定せずに毎月1000円割り引き、既存の「スマホ応援割」も有効という大判振る舞い。自宅にauひかりやJ:COMなどの対応固定回線があれば、1GB未満の利用で、5分間までの国内通話定額がついて1年目は月額980円だ。光ファイバーがなくても1480円で、MVNOの格安SIMの最安プランに、5分かけ放題のオプションを加えたものよりも安い。

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フィーチャーフォンからの乗り換えで月980円~になるauの「ケータイ→auスマホ割(s)」だが、条件はいろいろある

 ソフトバンクは今年に入ってからは新しい料金プランを出していないが、フィーチャーフォンからスマートフォンへの乗換で、1年間月額980円で使える「スマホデビュープラン」を6月12日から開始する。月間1GBまでの通信と5分間までの無料通話が付いて、やはり月額980円。最初の1年目だけだが、auに比べると対応固定回線契約が必要ないという違いがある。

 ドコモは「ウェルカムスマホ割」として最大1ヵカ月間、月額1500円引きの制度があったが終了。分離プランでは「はじめてスマホ割」として、最大12ヵ月間月額1000円引きとなる。

 なお、フィーチャーフォンからの乗換は、機種変更だけでなく他社からのMNPでも有効だ。MNPで他社の契約や利用状況を確認することには限度があるため、フィーチャーフォンからの乗換であることの証明は電話機を見せて電話番号を確認したり、着信テストをするなどということが実際に行なわれている。フィーチャーフォンユーザーならこういった割引施策は有効に使いたい。

ソフトバンク、Y!mobile、UQ mobileの動向が気になる

 記事執筆時点では、ソフトバンクからはドコモ/auの新料金に対抗したプランは発表されていないが、現状でも大容量利用であれば競争力があるほか、フィーチャーフォンからの乗換割引も強力だ。手頃な料金プランはサブブランドでもあるY!mobileという基本方針があるため、この夏に新プランは発表されない可能性もある。

 一方で気になるのがY!mobileとUQ mobile。MVNOの格安SIMではないが、一般には格安スマホと認識されているほか、現在の料金制度では加入から2年間だけ安くはなるもの、その後はドコモ、auの新プランに比べてもメリットがない。また、現状のプランでは完全な分離型にはなっていないため、なんらかの動きがありそうだ。

安いプランに変える場合には
今ある端末購入時の割引に注意

 ドコモ、au、ソフトバンクで使っている人が分離型になった新しいプランを使うには、プラン変更を申し込めばいいが、いくつか注意がある。2年契約といったもののほかに、「購入サポート」といった指定プランの継続が条件で割安に端末購入している場合だ。

 そのサポート期間であれば高額の解除料なしに新プランには変更できない。また、反対に端末購入時に付いてきた月々の料金の割引(ドコモ「月々サポート」など)も、指定プランの継続が条件だ。プラン変更に制限があるか、できても不利になるので確認した上でどちらが得になるか確認して申し込むとよいだろう。

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ドコモのサイト上にある料金シミュレーションは、現在の契約内容や利用状況に基づいて、どっちが得になるか示してくれる。見た目の料金が安くなっても、月々サポートがある分、実質値上がりになる場合は、月々サポート終了後の切り替えを勧めてくれるなど、なかなかに優秀

 また、これを機にMVNOの格安SIMに乗り換えようという人もいるかもしれない。その場合はキャリアメール、国際ローミング、年齢認証といったものの提供が異なるため、格安SIMに乗り換える前の注意点をよく確認したほうがよいだろう。

 MVNOやサブブランドの格安SIMに乗り換える場合に、手持ちのスマートフォンをそのまま使うには、新たに契約する事業者のSIMに入れ替えればそのまま乗り換えられることが多いが、SIMロック解除の必要性の有無や利用可能周波数、VoLTEの対応といった技術的制約もあるため確認が必要だ。

 MVNOの格安SIMのウェブサイトでは、SIMだけの乗換の情報や手持ち機器の対応状況をまとめて情報提供しているところが多いため、参考にするのもいいだろう。各社詳しい対応表を用意しており参考になる。

 そして、最も簡単なのがリアルな店舗を用意している格安SIMの店舗に出向いて、任せてしまうことだ。ただ、実際にお店に行ってしまうと、条件が自分に合わなくても無理に契約してしまったり、無駄足になることもある。そのためにも事前の下調べをすることをオススメしたい。

安く使うなら、やっぱりMVNOの格安SIM

 6月からも数GB程度のデータ通信を利用する人が、費用面だけを追求するならMVNOの格安SIMの方がオトクなのは間違いない。格安SIM以外で安くする方法は、フィーチャーフォンからの乗り換え割引を利用する方法くらいだ。

 もし、今後、注意する動きがあるとすればサブブランドから新プランが発表されることや、大手キャリアによる端末販売で何かメリットがあるような場合だ。今回紹介したフィーチャーフォンからの乗り換えで割り引く施策も、いつまで続くかわからないため終了のアナウンスにも気をつけたい。

 安く使いたいならまずはMVNOの格安SIMを検討することから始める、というのは分離プラン導入後でも変わらない。