Photo by Yuito Tanaka
燃油高騰と円安のダブルパンチが、航空会社の経営を直撃している。北九州を拠点とするスターフライヤーでは、営業利益は増益傾向にあるものの、為替差損などにより純利益は大幅減少。このままでは「ジリ貧」になると、同社の町田修社長は危機感を募らせる。打開策の一つとして掲げるのが、6年ぶりとなる国際線定期便の再開だ。連載『エアライン・鉄道の進路』の本稿では、町田社長に国際線拡大戦略の勝算と、進み始めた航空業界再編への見方を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 田中唯翔)
燃油高騰&円安が直撃
国際線の就航に活路
――中東情勢の悪化から、ジェット燃料価格が1.5倍以上に高騰しています。今期(2027年3月期)の業績にどう影響するとみていますか。
今期は純利益が約6億円(前期は4.3億円)に着地すると予想していますが、現在の状況が続くとかなり厳しいです。足元の原油価格や為替の水準のままでは純利益はゼロに近づいていくでしょう。
ただ、コロナ禍を経て確実に稼ぐ力は戻ってきたと思っています。26年3月期の営業利益は13.9億円(前期比12.9%増)でした。私が社長に就任した22年はまだ赤字でしたが、そこから順調に旅客数は回復してきています。
――航空各社の国内線事業はコロナ禍以降、需要減少とコスト高により、収益性の悪化に悩まされています。
スターフライヤーは離島路線を運航していないため、路線の存続が危ぶまれるほどの危機には至っていません。ですが、当然われわれも影響は受けています。収入に対してこれだけコストが上がってしまっては、いつまでたっても会社の経営が安定しません。
特に問題なのは為替です。私の社長就任当時は1ドル=120円ほどでしたが、現在では160円付近です。航空業界はドル建ての費用が多いので、円安はコストに大きく影響します。
例えば、25年の7月に新機材の「エアバスA320neo」を導入したのですが、円安によって約5.2億円の為替差損が発生し、営業外費用が大きく膨らんでいます。せっかく営業利益は伸びているのに、為替の影響で26年3月期の純利益は4.3億円と、前期比で約77.4%も減ってしまいました。
スターフライヤーのエアバスA320neo Photo by Y.T.
このままでは“ジリ貧”に陥ってしまうため、いかにして乗り越えていくかが現在の課題です。
――その打開策の一つが国際線定期便でしょうか。貴社は9月から6年ぶりに北九州-台北線を再開します。
現在の事業環境を「ジリ貧」と捉える町田社長。国際線定期便の再開は、現状打破の一手といえるが、1路線だけでは効果は限定的だろう。ならば、台北のほかに就航を狙っている都市はどこなのか。また、国内線事業を巡っては、国土交通省が大手2社(ANA、JAL)による中堅航空会社への出資規制を撤廃する方針を打ち出した。これにより業界再編が促される形となるが、スターフライヤーにとっては大手からの出資が増えれば経営の安定性は増すだろう。町田社長はこの状況をどう受け止めているのか。次ページで詳しく語ってもらった。







