米国債に対する需要が再び強まる中、指標となる10年債利回りが節目の2%を割り込んだ。数カ月前には、ほぼ誰も想定していなかった事態だ。利回りが数年ぶりの水準に落ち込んだ現状は、中銀当局者が10年にわたる異例の金融緩和策の正常化を進めることがいかに難しいかを物語っている。投資家やエコノミスト、政策担当者の多くはこれまで、トランプ政権の減税や規制緩和が成長と物価を押し上げるのに伴い、金利も上昇するとみていた。だが今年に入り、想定とは逆の現象が起きている。10年債利回りの低下は、経済が従来考えられていたほど力強くないことを示唆している。投資家にとって、低金利は社債や株式など高利回り資産への投資を促す要因となる。米国債利回りの低下はドルを押し下げ、米国外の中銀に金利を引き下げる余地をもたらす。
米長期金利2%割れ、誰も予想できなかった異変
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