考える会からすれば、長谷川閑史取締役(当時)の解任などを株主提案した17年の総会以来、、「3度目の正直」で初めて、「実は取った」と言っていいだろう。

 総会後、武田和久さんは「考える会の主張が通った。今後も厳しく経営を監視していく」と話した。

大型買収による“バラ色の未来”はあるのか

 総会でも関連質問が出て経営陣が釈明に追われたが、武田薬品は6月上旬、経済産業省が制度設計する「健康経営優良法人2019大規模法人部門(通称「ホワイト500」)」の認定を自主返納した。“ホワイト企業”認定を受けた直後に社員の働き方に関して労働基準監督署から是正勧告を受けたためで、お粗末な経緯は社内外で残念なニュースとして広まった。あるOB社員は「一事が万事。本当は問題を多く抱えているのに外面だけは良いのがタケダの特徴だから」と感想を漏らした。

 今回のクローバック条項を巡る経営陣の対応も、外面の良さなのだろうか。

 ただ、数字は正直だ。

 20年3月期の業績予想はシャイアー買収費用計上などの影響で、営業利益1930億円の赤字、純利益3830億円の赤字。大型買収に伴う一過性のものと経営陣は説明するが、ネガティブインパクトは大きい。株価もシャイアー買収検討が判明した18年春以降、低迷が続く。

 来期以降、経営陣が常々語る、大型買収による“バラ色の未来”を数字で示していかなければ、一部創業家筋以外の株主も黙っていないだろう。

(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)