従って、「○○が重要」という有権者がいるのであれば、それを争点として政策を提示し、選択肢を提示して訴えていけばいいのだが、訴える側もその主張がなんともぼやけている。

争点が定まらない
与党の経済政策の問題

 選挙期間中に行われた調査。例えば、産経新聞社とFNNが実施した参院選の中盤情勢調査によると、重視する政策・争点では「年金など社会保障」が40.6%で最多だったとのこと。かたや「憲法改正」は7.1%だったとのこと。やはり2000万円報告書の影響は大きく、まだまだ続いているということだろう。

 しかし自民党は年金問題への対応を前面に押し出すことをせず、野党も年金問題を街頭演説で語りつつも、財源問題等については、選挙公約・政策集も含め、明確に言及することはないようだ。

 参院選の争点は何だと思うか?ではなく、わが国の目下の最大の課題は何か?と問うてみれば、「今後の生活の不安」といったことも含めて、ほとんどの場合、「経済状況」という答えが返ってくるのではないだろうか。

 専門家との会話ではもれなくそうであり、野党はなぜ経済問題を争点として掲げないのかという声も聞こえてくる。一口に経済といっても「広うござんす」で「何でもござれ」になってしまいそうであるが、ここでいう経済状況、経済問題とは、2つしかない。

 1つは、長期的なデフレから脱却できず、米中貿易摩擦の長期化等も加わって改善どころか悪化の一途をたどる経済を「どう回復させるか」という問題、もう1つはそんな状況にもかかわらず引上げに向かってまっしぐらの消費税問題である。

 国民経済、国民の生活を考えれば、一刻も早くデフレからの脱却を果たさなければならないはずである。デフレ不況を進め、わが国経済を悪化させることが明らかな財政再建、健全化のための消費税増税など、現状ではあり得ない。国債を増発してでも財政歳出を拡大しなければいけない状況だ。

 前者については与野党問わず総論では「同じ方向」であるが、後者については与党が「増税」、野党が「増税反対」と分かれているように見える。しかし、実態としてはそうでもないようであるし、そう単純な話でもないようなのである。