性感染症「クラミジア」ワクチン開発に光
性器クラミジア感染症に対する開発中のワクチンは安全で、有効性についても有望であることが、初期段階の臨床試験で明らかになった。35人の健康な女性を対象としたプラセボ対照二重盲検のランダム化第1相試験で、2種類のワクチンは忍容性が高く、いずれかのワクチンを接種した女性においてクラミジアに対する抗体の産生が認められたことが分かった。
試験結果の詳細は、デンマーク国立血清研究所ワクチン研究センターのFrank Follmann氏らが「The Lancet Infectious Diseases」8月12日オンライン版に発表した。
今回の臨床試験では、19~45歳の健康な女性35人を対象に、2種類のワクチンのいずれかを接種する群またはプラセボを接種する群の3つの群にランダムに割り付けた。その結果、ワクチンを接種した全ての女性において、クラミジアに対する抗体の産生が認められた。特に「CTH522:CAF01」と呼ばれるワクチンを接種した群では、もう一方のワクチンを接種した群と比べて抗体産生が約6倍であることが確認された。
なお、最も頻度の高い副作用は、注射部位の疼痛や圧痛だった。ただし、軽症例がほとんどで、2~4日ほどで消失したとしている。
ただ、この結果だけでは、ワクチンでクラミジア感染症が予防できるのか、あるいはその効果が長期にわたり持続するのかどうかは不明だ。Follmann氏は「抗体とT細胞を組み合わせると、クラミジアに対する防御効果が発揮されることが研究で示されている。しかし、ヒトで感染を予防できるかどうかについては、大規模かつ長期の臨床試験で検証する必要がある」と話している。