サウジアラムコPhoto:Reuters

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは、事態が変われば変わるほど、同社自体は同じ状態のままであることを示している。

 アラムコは世界最大の新規株式公開(IPO)を2段階に分ける計画を検討しており、株式の一部を年内にサウジの証券取引所で公開し、2020年か21年には外国市場にも上場を検討している、とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。

 アラムコは昨年、上場の予定を延期した。外国の取引所についての迷いのほか、ニューヨークやロンドンのような主要資本市場で必要とされる透明性および法的リスクといった、さまざまな懸念のためだ。サウジの予算のために資金を調達するというプレッシャーも、原油相場の回復や、アラムコが今年実施した120億ドルの起債(他の国有企業株の取得に使われた)で幾分和らいだ。ただ、意味合いは変わったが、赤信号はなお点滅している。投資家は知っておいた方が良い。