糖質の過剰摂取が肥満の元凶で、糖質の過剰摂取で健康を悪化させる人が世界的に増加していることを本連載や『医者が教える食事術2 実践バイブル』では繰り返し警告してきた。特に日本では白米をたくさん食べる地域ほど短命だったという調査結果もある。(*1)とはいえ、米(ご飯)は日本人の食生活・食文化に不可欠なもの。著者も「食べるな」とは主張していない。ただし、少し工夫してほしいという。そこで今回はご飯の上手な食べ方、一緒に食べるといいものについて『医者が教える食事術2 実践バイブル』の中から紹介する。
タンパク質を食べると
血糖値を下げるホルモンが出る!
日本人にとって、ご飯はとても重要で、糖質制限を唱えている私も「食べるな」と言うつもりはありません。
ただ、白米を玄米に変えていくことは、充分に検討に値します。精米の過程でいろいろな栄養素をそぎ落としてしまう白米に対し、そのまま丸ごと食べる玄米は、ビタミンやミネラルは多く残っているからです。
また、五穀米や押し麦などの雑穀を白米に混ぜれば、まったくの白米より、やはりビタミンやミネラルは多めに摂れます。
とはいえ、こんな手間をかけることができるのは自宅で自炊する場合に限ってでしょう。最近は玄米や雑穀を提供する外食店も登場してきたとはいえ、まだまだ少数派。ビジネスパーソンがランチタイムにご飯を食べるとしたら白米です。
それでも、少しの工夫で健康は守れます。
詳しくは『医者が教える食事術2 実践バイブル』で解説していますが、ご飯やパンなどの炭水化物は、タンパク質や脂質、食物繊維と一緒に食べることで血糖値の上昇が抑えられます。胃腸からの消化吸収が遅れるからです。(*2)(*3)
とくにタンパク質、脂質、食物繊維のどれが一番血糖値の上昇を抑えるかを比較した研究があります。結果は炭水化物とタンパク質を食べた時、効果が一番ありました。理由は消化吸収を遅らせる以外に、腸から血糖値を下げるインクレチンというホルモンを分泌させるからです。(*3)