マグネシウムを摂ると
糖尿病の発症率が低下!
炭水化物、タンパク質、脂質の三大栄養素のほかに、ビタミンとミネラルを加えて五大栄養素と呼びます。そのミネラルの中で、最近、注目を浴びているのがマグネシウムです。
福岡県久山町で1961年から続いている世界的疫学調査では、1日のマグネシウム摂取量が増加するに従い、2型糖尿病の発症率が下がることが突き止められています。(*4)
40~79歳の糖尿病のない住民、約2000人を21年間にわたって追跡し、マグネシウム摂取量を分析した結果、1日のマグネシウム摂取量が148.5ミリグラム未満のグループを基準に糖尿病の発症率を比較すると、148.5~171.5ミリグラムで16%、171.5~195.5ミリグラムで33%、195.5ミリグラム以上では37%も減少したのです。
しかも、糖尿病予備軍に近い人ほど、その効果が示されたそうです。
白米好きは海藻から「マグネシウム」を摂る
糖尿病予防には貝・海藻・キノコ等が効果あり
ほかに、2017年の『Diabetes Care』(米国の糖尿病学会の機関誌)に掲載されたタフツ大学の研究論文でも、マグネシウムを多く摂ると2型糖尿病発症が15%低下することがわかっています。(*5)
とくに、白米を食べている人にその効果が高いとのこと。白米好きな人は、できるだけマグネシウムを含むものを食べるようにしましょう。
身近な食材では貝や海藻にマグネシウムが多く含まれます。また、色の濃い野菜、豆類、卵、キノコ類もマグネシウムが豊富です。ご飯を食べるときのおかずには、こうした食材を多用するといいでしょう。
(この原稿は書籍『医者が教える食事術2 実践バイブル――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方70』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)
(*1)『日本の長寿村・短命村』サンロード 近藤正二著
(*2)栄養学雑誌1993;51:251-8
(*3)Am J Clin Nutr 2017;105:842、
(*4)Diabet Med 2013;30:1487-94
(*5)Diabetes Care 2017;40:1695-1702