「肉の脂身なんて絶対に残す」という人も多いだろう。われわれの多くは脂肪こそ避けるべきものと教えられてきたからだ。しかし、最新の研究では脂肪はもっと摂るべきだし、脂肪を食べても太らないことがわかってきた。「脂肪は太る」は感覚的なもので、嘘なので認識を変えてほしい。今回は『医者が教える食事術2 実践バイブル』の中から、食事が人体に与える医学的・化学的な仕組みについて解明する唯一の科学である生化学の研究者であり、臨床ではのべ20万人の患者を診てきた糖尿病専門医でもある著者が、医学的、生化学的に脂肪を食べても太らない理由を解説する。

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価値観、食生活が一変!
「脂肪は太らない」医学的な根拠

 私がテレビや『医者が教える食事術2 実践バイブル』で「あなたが太るのは脂肪ではなく糖質の摂り過ぎが原因。やせたいならカロリー制限ではなく、糖質の食べ過ぎを改めるべき」と説明してもなかなか受け入れない人が少なからずいます。

 長年にわたり「脂たっぷりの肉なんて食べるから太るんだ」と信じこまされてきた人は、その思い込みから脱するのが難しいようです。連載の第2回「白米の食べ過ぎが早死にの原因だと認められない日本人の重すぎた代償紹介」で指摘したように、食に関する「思い込み」はやっかいなものです。

「お腹についているのは脂肪だ。これがお腹に溜まって俺は太っているのだ。その脂肪を食べても太らないなんて信じられない」

 これが多くの人の気持ちでしょう。その疑問に誰も答えていないので、糖質制限でやせるということが納得できないのです。

 ここで、どうして脂肪を食べても太らないかについて生化学的に説明しましょう。理由は3つありますので、順番に説明します。