地銀105行「余命」ランキングは、このムチの部分に着目して作成してある。
将来の一定期間(おおむね5年以内)で、一般企業の営業利益に当たる「コア業務純益」が回復する姿を描けなければ、業務改善命令が発令されてもおかしくない。こうした状況に、全国の地銀が立たされたのだ。
このことを踏まえ、ダイヤモンド編集部はコア業務純益が赤字に転落するまでの期間を独自試算。105行のうち、17行は「余命」が5年に満たないとの結果が出た。
余命ランキングでワースト1、2、7!
島根、福邦、福井の3行で再編の動き
9月半ばまでの一連の動きの中で、福井銀はワースト7(余命は2年11カ月)、福邦銀はワースト2(同1年5カ月)。SBIに救いを求めた島根銀に至っては、コア業務純益がすでに赤字でワースト1だった。
今後活発化するであろう地銀の再編劇を占う上で、今回のランキングが参考になるはずだ。
苦境に立たされているのは銀行ばかりではない。株価が一定水準を維持しているのに、急速に収益を悪化させている証券会社に対して「もはや地銀と並ぶ構造不況業種」(金融庁幹部)との評さえ出ている。
中でも2019年3月期に巨額の損失を計上した、野村證券の帰趨が焦点となっている。
SBIホールディングスは、地銀の再編だけでなく「野村買収の最右翼だろう」(大手証券幹部)と金融業界で目されている。
SBIの北尾吉孝社長はインタビューで、地銀について「リスクを冒し、運命共同体になる」と強調。野村を含めた業界再編に関して「一つの大勝負を懸けていく時期」と語った。
北尾氏は、地銀を結集して第4のメガバンクになる構想を掲げ、現時点で関心を寄せている地銀が10行程度あるとしている。
一方、「付き合いたい・付き合いたくない銀行・証券・保険」ランキングでは、個人2000人と上場企業107社へのアンケートを通じて、顧客目線で各社に対する評価と不満を浮き彫りにした。