『週刊ダイヤモンド』10月5日号の第1特集は、「銀行・証券 断末魔」です。今回、目玉は三つあります。(1)全国地方銀行105行「余命」ランキング、(2)「第4のメガバンク」構想をぶち上げたSBIホールディングス北尾吉孝社長インタビュー、(3)「付き合いたい・付き合いたくない銀行・証券・保険」アンケートです。業界再編の機運がにわかに高まる中、徹底取材を敢行しました。(ダイヤモンド編集部 清水理裕)
地銀を中心に巻き起こる金融再編の動き、
“余命”5年未満が17行

超低金利の逆風下で収益改善の道が見えない地方銀行を中心に、足元で金融業界に動きが出てきた。
8月26日――。山陰合同銀行(島根県)と野村證券が業務提携を発表した。山陰合同銀グループの証券口座を野村に移管し、野村が管理を担当する。山陰合同銀傘下の証券子会社は今後解散する見通しだ。
野村の松江支店の営業職員約30人は山陰合同銀に出向。事実上、同支店で手掛けてきた個人顧客(リテール)業務から撤退する。このため、野村内部では「新しいかたちのリストラ策ではないか」と動揺が走った。
9月6日――。SBIホールディングスと島根銀行が資本業務提携を発表した。SBIはグループ全体で島根銀に34%出資し、取締役2人を送り込む。
9月13日――。福井銀行と福邦銀行(福井県)が資本提携を視野に入れた包括的な提携の協議を始めると発表。両行は手始めに、営業地域が重複する店舗の共同化を進めることになる。
相次ぐこうした動きの背景には、金融庁が8月に発表した「金融行政方針」もある。アメとムチで単独での生き残りが難しい地銀に、再編を促す内容となっていたからだ。