すべては「経済」でつながっている

私はよく、ペットボトルのお茶の話をします。コンビニで買ったお茶の「150円の行方」についてです。
何気なく支払った150円は、直接的にはコンビニの売上となります。しかし、その裏では、飲料メーカー、運送業者、倉庫会社、お茶の農家や農協、パッケージの印刷会社やデザイナー、お茶のCMの広告代理店やタレント事務所……、と無限に広がっていきます。

私たちが使ったお金は、誰かの給料になっているし、私たちが得る給料も誰かの使ったお金なのです。
こうして、すべてはつながっていることを、経済用語で「互恵関係」といいます。

お金そのものは無色透明な存在ですが、お金を通じて誰かを支え、お金によって誰かに支えられている。そのことを自覚すると、途端にお金がカラフルで明るいものに思えてくるはずです。

「お金が嫌い」になる理由

私は、お金はエネルギーを溜め込んだ「缶詰」であると考えています。
すると、2つの側面が見えてきます。

1つが、「過去の缶詰」です。その人が過去におこなってきた努力や働いた報酬、時間、あるいは家族から受け取る遺産など、過去の結果が詰まっているのです。

もう1つが、それを使うときの「未来の缶詰」という側面です。お金は自分のために使うだけでなく、使い方次第で他の人を幸せにすることもできます。お金を使えるのは、いつだって未来に向けてだけなのです。

さて、あなたのお金に対する思いは、「過去」と「未来」のどちらに重きが置かれていますか。
もし何か将来にやりたいことがあれば、お金への思いは未来に向けられた「可能性」「選択肢」「自由」であると感じられることでしょう。すると、お金に対して「好き」という感情が生まれやすくなります。
逆に、「やりたいこと」がない場合、お金の「過去」の部分に思いはフォーカスされます
そうすると、「お金は自分の評価をつきつけるものだ」「他人と比較されるものだ」と、ネガティブにとらえてしまい、お金のことが「嫌い」になってしまいます。