その支払いに「自覚」はあるか

お金を知るといっても、難しい経済の知識は必要ありません。次の質問について考えてみてください。

Q「昨日の1日で使ったお金の金額と内容を答えられますか?
『朝のコーヒー代…100円』 『ネットで買った書籍代…1500円』
というように、1円単位で思い出しながら書き出してみましょう」

いかがでしょうか。
昨日という、ごく近い過去の話でも、意外と詳しく思い出せない人が多いのではないでしょうか。
家計のやりくりをきちんと記録している人や、自分で税務申告をしている自営業の人でないと、ちゃんと買い物の内容や金額を覚えているのは難しいと思います。
それなりにお給料をもらっていて、自由に使えるお金がある人ほど、「覚えていない」と言います
これはすなわち、消費活動に無自覚だという状態です。

身近にひそむ「無自覚のワナ」

お金を使うことに無自覚になってしまう原因は、「コンビニ」と「ATM」の存在ではないかと私は思っています。

コンビニでの買い物は、「欲しいものを買う」という純粋な消費であるよりは、ちょっとした寂しさや退屈を紛らわせるための「心の隙間」を埋める行動といえるかもしれません。

また、サラリーマンは、毎月の給料が安定して振り込まれます。決まった額を給料日に下ろしてやりくりすればいいのですが、ATMのおかげで、いつでもお金を下ろすことができます。
財布が空になれば下ろせばいい」という習慣になり、日々の消費に無自覚になっていくのです。
その結果、自分が何にいくら使っているかを思い出せなくなります。
投資家のように生きるには、そのマインドから抜け出さなくてはいけません。