「投資用マンション選び7カ条」物件500棟を調査したプロが明かす

「こんなに良い物件、即決しないとすぐなくなりますよ」――そんな不動産業者の甘言に釣られて、投資に必要なチェックポイントを見落としてしまい後悔するケースは後を絶たない。そこで「バブル再来! 不動産投資」(全5回)の最終回となる今回、500棟もの物件を調査してきた不動産投資のプロに七つの重要ポイントを挙げてもらった。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

不動産投資は大衆化し過熱
専門領域を超える業者も登場

 「私が不動産投資を始めた11年前と比較すると隔世の感があります」
 
 サラリーマン時代に賃貸経営を始めて11年、今や分譲マンション23戸を保有するまでに至った不動産投資家の依田泰典氏は、そう振り返る。

 当時、不動産投資といえばプロの領域で、個人投資家にとって羅針盤になる材料はほとんどなかった。それが今や書店に行けば不動産投資関連のノウハウ本が書棚にあふれ、新聞やインターネットの広告では不動産投資セミナーが大々的に告知されている。それほどまでに不動産投資が身近になり、さらに言えば大衆化し、過熱している。
 
 だが、それは負の側面も生み出した。最近ではスマートデイズ(かぼちゃの馬車)、スルガ銀行、TATERU、レオパレス21、大和ハウス工業など、不祥事を起こす企業が続出し社会問題化した。これら一連の悪質なスキームがさまざまなメディアを通じて暴露され、とりあえず一段落した感もある。

 その一方で、居住用から投資用に、一棟売りから区分売りに、新築から中古にというかたちで各不動産業者が専門領域を超えて新規参入し、事業範囲を広げつつある。

 過熱する市場で選択肢が増える中、投資家は失敗を防ぐためにも、良質な不動産業者と物件の両方を見極めなければならない。

 今回、300人を超える投資家と共におよそ500棟の物件を調査してきた依田氏の協力を得て、不動産投資で気を付けるべき七つの重要ポイントを挙げた。「新築でも中古でも、マンションの区分保有かつエリアを東京23区内に絞って選定した上で、以下のポイントをクリアできれば不動産投資の勝率は上がります」と依田氏はアドバイスする。ではここから投資家にとって必読の情報を具体的に紹介していこう。