一口に投資家と言っても、サラリーマン投資家から富裕層投資家まで幅広い。特集「バブル再来! 不動産投資」(全5回)の第3回では、前者にターゲットを絞っているワンルームマンション専業のFJネクストと、多種多様の物件開発で後者のニーズに応えるビーロットの生き残り戦略を比較してみた。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

主戦場は都心と横浜、川崎
借金に頼らない仕入れが強み

 最近では不動産投資家のニーズが多様化するにつれて、ポートフォリオを増やす不動産業者が増えてきた。

 一方で、1980年の創業から40年近くたっても大きく戦略を変えることなく、いわゆるサラリーマン大家に新築ワンルーム(1R)マンションを区分販売し続けるという、不動産投資の“本流”にこだわる老舗企業も存在する。それが「ガーラ」シリーズを展開するFJネクストだ。同社の売上高に対する事業比率を見てみると、実に9割近くが1R販売だ(下図参照)。

 「年度によって戦略を変えるということはない。ただ賃貸需要ありきのビジネスだから、立地には一貫してこだわっている」と同社経営企画室の伊藤賢志係長は話す。 
 
 戦略エリアは、安定した賃貸需要がある東京都心および神奈川県横浜市と川崎市に絞っている。創業から2019年3月末時点までの総供給戸数は1万9067戸。そのうち、特に都心8区(港区、中央区、千代田区、新宿区、渋谷区、目黒区、文京区、品川区)でおよそ半分を占める。

 取引のある金融機関や仲介業者などから情報を集め、駅からの徒歩分数、商業施設や学校などの有無から、安定的に賃料が取れる立地を選定。その土地の持つ資産性や将来性を見極めて迅速に事業化を決定しているという。

 決断のスピードもさることながら、土地の仕入れは借り入れに頼らず手元資金を用い、不足分を借り入れで補うというスタイルが同社の強みだという。

 次にバランスシートの総資産における棚卸し資産と有利子負債の割合を見てみよう。726億円の総資産に対し、棚卸し資産は521億円、有利子負債は162億円となっており、不動産業者にしては借り入れが少ないといえる。