米ハーバード大学が入学選考過程で人種差別があったとして訴えられている問題で、米連邦地区裁判所は1日、同大学がアジア系米国人の志願者を意図的に差別していることはないとする判断を示した。ハーバード大学にとっては勝利となるが、原告側は判断を不服として上訴する見通しで、最高裁判所までもつれ込むとみられている。アリソン・バロウズ判事は、ハーバード大の慣例は「完璧ではない」とし、採用担当官のバイアス(偏見)対策研修といった改善策を取り入れることができると指摘。だが「裁判所は、一段の改善の余地があるとの理由だけで、合憲性審査を通過した極めて優れた入学選考プログラムを解体することはない」と述べた。その上で、同大学の入学選考プロセスは最高裁の前例に沿っており、連邦の公民権法に違反していないとの判断を示した。