遠隔型自動運転システム
実験のハードル上がる
警察庁は9月、「自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準」を発表した。これは、自動運転技術を使って自律走行実験を行う際に、電気通信技術を使って実験車両に遠隔制御システムを搭載した車両(遠隔型自動運転システム搭載車)を対象にしたガイドラインだ。2017年6月の「遠隔型自動運転システムの公道実証実験に係る道路使用許可の申請に対する取り扱いの基準」を受けて、具体的な基準が明示されたかたちだ。
16年5月、警察庁は「自動走行システムに関する公道実証実験のためのガイドライン」を発表した。こちらは、いわゆる自動運転(ハンズオフ運転など)の実証実験に対する指針で、「道路運送車両法の安全基準に適合した車両であれば、運転者席に座ったテストドライバーが周囲の交通状況に注意し、緊急時には他人に危害を及ぼさないよう安全確保の操作を行う」条件のもと、「公道での実証実験は可能」としていた。もちろん、公道で走る前に十分に技術を高めていることが大前提。テストドライバーは自動運転技術の仕組みや特性をしっかりと理解している専門性が求められた。
今回の遠隔型自動運転システムの場合は、“道路交通法に基づいて道路使用許可を受ける必要がある”と、実験のハードルが上がった。また、通信技術で車両を制御するため、通信が途絶しない場所で実験し、通信環境を整備するよう求められている。