楽天が出資したことでも話題を集めた、オンライン版ピンボード「Pinterest(ピンタレスト)」。
スタートから2年で1800万人と爆発的なスピードで広まっていくこのサービスに、なぜ今人々は酔いしれているのだろうか。
その謎を解くのは、「気まぐれな投稿」と「視線が自分に向かない」つながり方、という2つのキーワード。つながり疲れを癒し、ゆるやかでシンプルなつながりを実践するための処方箋とは?
1800万人が殺到する「ある画像掲示板」
「そう、Pinterestでは、自分の未来の子どもたちの服を選んだり、空想のわが邸宅を飾ったりしているわ」
米国テキサス州に住むクリスティーナ・ゴメスさんは言う。お気に入りのベビーベッドや揺り木馬などの写真を厳選し、Pinterestで披露している(注)。
この「Pinterest」は、オンライン版のピンボードとして人気急上昇中のサイトだ。バーチャルな掲示板に自分の好きな画像を飾り付けることができるサービスで、自分で撮影した写真以外に、食べもの、ファッション、スポーツ、旅行まで、インターネットで見つけたお気に入り画像を掲示板に「ピン」する(貼り付ける)ことができる。
2010年にサイトが公開されたPinterestは、開始から2年で約1800万人の利用者を持つようになった。訪問者数こそまだまだ成長途上だが、2011年9月から2012年の初頭には約5倍に跳ね上がり、そこから他サイトへ誘導される率はTwitterを上回ったというデータもある。日本でも、ユーザーが増えつつある。
そして2012年5月17日、楽天が運営会社である米Pinterestへの巨額の出資を決定したことも、その注目度の高さを物語っている。
(注)Reuters, March 14, 2012 より引用。