株式投資を行う上でやるべきは、おそらくウィーワークの問題を精査することだろう。「世界の意識を高める」を標榜するこの共有オフィス賃貸会社の転落は、投資家の姿勢が成長重視から利益重視に転換したことの象徴と言えるかもしれない。言い換えると、ウィーワークの新規株式公開(IPO)断念は、無条件の巨額投資が永遠に続くとの夢から、投資家を現実に引きずり戻すことになった。風向きの変化は、7-9月期(第3四半期)決算の反応にすぐに表れた。成長のみを重視していたウィー以前の時代は、投資家の関心は利益ではなく売上高のみに集まっていた。だがここにきて、注目のグロース企業が予想を上回る売上高を発表しても、投資家はさえない利益に反応し、売りを浴びせるようになった。電気自動車(EV)メーカーのテスラは、その正反対の例だ。売上高は市場予想に届かなかったものの、最終損益が想定外の黒字となったことで株価が急伸した。
ウィーワーク転落、「バリュー復活」告げる号砲に
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