レーシックと同様のリスクも
情報開示してくれる医療機関を選ぶべし

 ドライアイを悪化させず、取り外すこともできるとなれば、ICLは万能なのかと思ってしまうが、もちろんデメリットもある。

「角膜を本来の状態に戻すために、検査前に1~3週間ほどコンタクトを外して過ごす必要があり、これを怠るとレンズの度数が合わなくなります。また、強すぎる度数で矯正すると、遠くも近くもピントが合わない『過矯正』になってしまうおそれがあるため、医師が最も注意を払っているところでもあります」

 従来は、白内障を引き起こす原因になるといわれていたが、最新の中央に穴のあいたICLレンズが開発されてからは、そのリスクはかなり減ったという。一方で、術後のケアの必要性や、ハロー(光の輪が見える)、グレア(光がギラついて見える)といった症状が現れるリスクがあるのは、レーシックもICLも同様だ。神谷氏は、視力矯正手術に対して一歩引いた立場から意見を述べる。

「『眼鏡をかけると頭痛がする』『コンタクトの着用でドライアイがひどくなっている』など、目の健康に何らかの問題が生じている人の助けとなるのが視力矯正手術です。眼鏡やコンタクトを使って快適に過ごせているならば、あえてリスクを冒してまでメスを入れる手術を受ける必要はないでしょう。もし手術を受けるのであれば、ICLのメリットだけでなく、合併症のリスクについても十分に説明してくれて、医師と患者の信頼関係を築けるような医療機関が望ましいです」

 近年は「コンタクトケアする手間をお金で買おう」など、時短ワザとして手術を勧める文言も見かけるが、盲信的に飛びつくのは禁物だ。「一生モノ」という覚悟をもって、慎重に検討すべきだろう。