インタビューは、法人登記中の日本法人拠点で行われた。最大100人の設計者を迎えるための広いオフィスは、まだがらんとした状態だ Photo by Chiyomi Tadokoro

中国半導体大手の紫光集団が11月15日、日本最後のDRAM半導体メーカー・エルピーダメモリ(2013年に米マイクロン・テクノロジーが買収)の元社長・坂本幸雄氏(72歳)を高級副総裁に起用すると発表した。執行役員に相当する立場で、紫光のDRAM国産化を支援するのが使命。ただ米国は、中国によるハイテク分野の技術獲得を警戒しており、昨年はDRAM国産化を進める別の中国企業に輸出制限を行っている。こういった中、紫光は米国を経由せず技術とノウハウを獲得できる経路として、日本の人材を起用した。デリケートな国際情勢が続く中、あえて中国のオファーを受けた意図を、坂本氏に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 杉本りうこ)

5年以内にDRAMを
中国で量産化する

――就任の経緯を教えてください。

 今春に一度、「一緒にDRAMをやろう」と紫光から誘われた。その時は体力的な不安があり、決断できなかった。だが9月に改めてオファーをもらった際には、あと2~3年ぐらいなら働ける自信が生まれていたので、快諾した。やはりDRAMをやるということは、自分にとって魅力のあることだからだ。

――紫光では、坂本さんはどういった任務を担う予定ですか。

 紫光は5年以内にDRAMを量産化するのが目標。その準備をするのが僕の役割だ。具体的には紫光の日本法人社長として、ここ(神奈川県川崎のオフィス)に設立する「設計センター」を任される。紫光にもDRAMの設計センターがあるにはあるが、独キマンダ(2009年に経営破綻)の資産がベースとなっており、非常に古い技術しかなかった。

 日本の設計センターには、設計者を70~100人程度集め、中国の製造プロセス拠点と密に連携しながら、だいたい2~3年かけて量産に向けた体制を整えていく。

――人材はどうやって採用しますか。