住宅用とは別に市場を牽引していた産業用については、業界関係者から「日本国内でこれ以上、産業用太陽光発電所の開設は難しいのではないか」という声も上がっている。産業用が急速に普及し、適した土地がほとんどなくなっているからだ。

 住宅用にしても、かつてより導入コストはかなり下がったが、イニシャルコスト(初期費用)の高さがネックになっており、導入への心理的ハードルとなっている。その上、コスト競争では中国勢にはとてもかなわないのが現状だ。

 縮小する国内市場に激化するコスト競争──日本メーカーを取り巻く環境はもはや八方ふさがりだ。

今後は京セラと連携
製品保証は継続

 三菱電機は今後、再生可能エネルギーを有効活用するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)、V2X(車車間通信、自動車間で情報をやりとりする技術やシステム)などに注力し、低炭素社会の実現に向けた統合ソリューション提案を強化するという。

 ここでいう「ネット・ゼロ・エネルギー」とは、例えば住宅なら断熱性や省エネルギー性能を上げたり、太陽光発電などでエネルギーを創ったりして、空調・給湯・照明・換気などの年間消費エネルギー量の収支をプラスマイナスゼロにすることを指す。

 この中で必要となる太陽光発電システムに関しては、京セラと連携しサービス提供していく方針を示している。

 さらに気になるのは、今後の太陽光パネルの製品保証だ。

 通常、FITが終わる20年間で、太陽光パネルの製品保証の期間が設定されている(周辺機器は別)。中には25年保証を売りにするメーカーもあり、三菱電機も25年保証を掲げている。

 今後の保証について顧客からの問い合わせがあったようだが、「条件に基づいて個別に相談しながら保証を実施していく」(同社広報担当者)としている。

(ダイヤモンド編集部 大根田康介)