プロが選ぶ謝罪会見ワースト2位
吉本興業「闇営業をめぐる諸問題」

 宮迫博之氏、田村亮氏ほか吉本興業所属の芸人が振り込め詐欺集団のパーティーに出て金銭を受け取った、いわゆる「闇営業」問題。風向きを大きく変えたのが、渦中にあった宮迫氏・田村氏の会見だった。「記者会見を吉本が阻止した」――突如としてパワハラ問題の様相を呈し、吉本興業の岡本昭彦社長が会見を開いたのは、発端となった週刊誌報道から1カ月半ほどたってからだった。

 専門家からはまず、この初動の遅さを指摘する声が上がった。

「宮迫氏、田村氏が会見してからようやく、会社としての会見。信頼回復を図る意志が見られない」(アサミ経営法律事務所・浅見隆行氏)

 世間の注目を大きく集めた会見は5時間超の長丁場となり、タレントとの契約体系にまで話が及んだ。しかし、説明された内容は釈然とせず、「(クビ発言などは)冗談だった」という迷言も飛び出す始末。かえって「ダラダラ長いだけで何も説明できていない」という印象を色濃くする結果となった。

 吉本興業といえば、正社員という立場ではないものの、6000人という所属タレントを擁する大所帯。「芸能界の特殊性を強調するだけではなく、その規模にふさわしい(社会的責任を示すなどの)対応が必要であった」(エンカツ社・宇於崎裕美氏)と、大企業に似つかわしくない時代錯誤っぷりを露呈した会見に批判の声が相次ぎ、ワースト2位となった。

「すべてがダメで、社長会見が傷口を広げた例として歴史に残る大失敗の会見だった」(エイレックス・江良俊郎氏)