プロが選ぶ謝罪会見ワースト5位
レオパレス「施工不良問題」

 賃貸アパート大手のレオパレス21において、物件の施工不良が次々と発覚。外部調査委員会が行った調査では、創業者のワンマン体制を背景に、法令を軽視する企業体質が長らく続いていたことが明らかになった。多くの入居者やオーナーを巻き込んだ社会問題へと発展し、深山英世社長(当時)含む7人の取締役が退任した。

 調査の中間報告を受け、3月に同社幹部が行った会見では、「調査結果を待ってから」「コメントを差し控える」といった回答が相次いだ。広報コンサルタントの石川慶子氏は、「会社見解がなく、(中間報告を)受け取ったばかりで内容にコメントしない、何も言えない」と指摘。「会社としてどう受け止めたのか、内容通りでコメントできないというのなら、なぜ記者会見をしたのか」(石川氏)と疑問を呈した。

 SOMPOリスクマネジメント・五木田和夫氏は、施工不良という発生した問題の性質について、「恒常的に建築上の不備が発生しており、組織的違反行為ともとれ、関係者への影響が非常に大きい」とする。しかし、深山氏が引責辞任を発表した5月10日の会見では、業績に対する反省や株主への謝罪の言葉はあったものの、社会的責任に対する認識の希薄さが際立った。「一部のステークホルダーのみを見ており、会見そのものの目的設定に大きなズレがある」(五木田氏)

プロが選ぶ謝罪会見ワースト4位
セブンペイ「不正利用問題」

 鳴り物入りで登場したセブン&アイ・HD独自のキャッシュレス決済サービス「セブンペイ」は、7月1日にサービス利用が開始された直後に、不正利用が発覚。たった3カ月でサービス終了に追い込まれる事態となった。

 7月4日に行われた記者会見では、セキュリティ対策の問題点について質問が及んだが、経営トップの回答は満足のいくものではなかった。なりすましを防ぐための「二段階認証」を採用しなかった理由を問われたセブン・ペイの小林強社長(当時)は「二段階うんぬん」と発言。「キャッシュレス決済を扱う会社が二段階認証も知らないのか」とネット上で物議を醸した。