最大のライバルと位置付けるのはセブン‐イレブン。また、同業にまねされても、「1000円台で刺し身と酒を出せる業態はそう多くはない」(池本社長)と、魚介類の仕入れノウハウに自信を見せる。

晩杯屋のルーツは
老舗居酒屋「立ち飲みいこい」

 晩杯屋のルーツは東京・赤羽で50年続く老舗居酒屋「立ち飲みいこい」だ。晩杯屋創業者の金子源氏はこの店で修業し、独立した。いこいの看板メニューも晩杯屋と同じ、マグロの刺し身(130円)と煮込み(110円)。仕入れ先も重複する業者が多いそうだ。

東京・赤羽の立ち飲みいこい本店
東京・赤羽の立ち飲みいこい本店。現金と引き換えにその都度商品を渡す“明朗会計”を貫く Photo by H.O.

 いこいの親会社は酒卸のアサヌマ。「駅前立地の酒屋で苦戦していた先々代が酒を売るために、立ち飲み居酒屋を始めた」とアサヌマの廣瀬嘉隆社長は振り返る。

 昔から営業時間は午前7時~午後10時。深夜営業をすると店の雰囲気が悪化し、客の回転が悪くなるため、午後10時閉店になったそうだ。今も店内での携帯電話の使用や客同士のおごりは禁止。違反した客には、常連客が店員の味方になって一緒に注意してくれる。

 居酒屋激戦区の赤羽で生き残った秘訣は、「安心して飲める店の文化をつくったこと」(廣瀬社長)。

 財布のひもが固い今、“いこい流”のせんべろ業態が、居酒屋業界をのみ込むかもしれない。

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