ポイント還元、キャッシュレス――。もはや目や耳にしない日はない。消費者にとって還元はありがたいが、肝心の商店主からは、不安とも不満とも取れるため息が漏れる。特集「外食の王様」15皿目では、そのため息の理由を明らかにする。
東京・巣鴨の商店街をジャックした
「メルペイ通り」のその後……
商店街にはためく「メルペイ通り」のフラッグ――。2019年9月、メルカリ傘下でキャッシュレス決済サービスを展開するメルペイは「おばあちゃんの原宿」こと東京の巣鴨地蔵通り商店街をジャックした。
キャッシュレス決済に不安を覚える割合が多い高齢者向けに、中古品売買サイトのメルカリと合わせて使い方を教える講習会を開催するなどし、テレビ番組でも報じられ格好のPRとなった。
だが、12月上旬にダイヤモンド編集部が商店街を歩いてみると――。キャンペーンが終わったためフラッグが外されているのはいいとしても、「メルペイ使えます」のステッカーを張った飲食店が、なかなか見当たらない。
「PayPay使えます」ののぼりを何本も立てた美容院はあるが、そもそも経済産業省が作成して配布した「5%還元」と書かれた赤いステッカーを張った店舗自体が少ないのだ。