外食の王様 10皿目_吉野家、KFC、丸亀製麺V字回復の裏にPhoto:Yagi-Studio/gettyimages

ファストフード業界で好調が続く吉野家とケンタッキーフライドチキン(KFC)。共通点は敏腕マーケッターの招聘だ。業績が低迷する中で、“外の血”を入れるという苦肉の策が功を奏した。特集「外食の王様」10皿目では、丸亀製麺などを運営するトリドールホールディングス(HD)の粟田貴也社長と日本KFC HDの近藤正樹社長のインタビューと共に、ファストフード業界の最新経営戦略を探る。

「週刊ダイヤモンド」2020年1月11日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの

ファストフード業界の低迷企業が
マーケティング戦略で次々復活

 マーケティングを制する者が、ファストフードを制す――。

 異業種からやって来たマーケッターが、ファストフード業界に旋風を巻き起こしている。かつての必勝法は、テレビなどでCMを打ちまくる物量作戦。積極的に露出を図ることで、客をかき集めた。

 消費者に近いため、広告宣伝費が抑制傾向の近年は、店のイメージに直結する見せ方やブランディングが鍵だ。だがこの領域の人材は社内では不足気味で、マーケティングに苦戦する企業も多かった。

 そんな中、移籍してきた“助っ人”マーケッターが低迷企業を次々とV字回復させている。

 和食のファストフードの筆頭格、吉野家ホールディングス(HD)はその典型だ。