複数の投資家の意見を聞き、取り入れることの重要性
村上:もう一点、WeWorkの件から考えられるのは、投資家のN数です。未上場と上場投資の大きな違いは、上場株は投資家のN数が圧倒的に増えるということです。未上場投資でのN数は、投資家がある程度の数いたとしても、上場株に比べたら圧倒的に少ない。WeWorkの場合は特に、その数が限りなく1に近かったんでしょうね。
資金調達の際、未上場スタートアップの経営者は、ファイナンスの時間軸や説明の容易さから、資金力がある一人の人にベットする方法を取りがちです。けれども、上場を見据えるのであれば、N数を絞らずに、複数の起業家や投資家の意見を聞き、取り入れていくほうが、結果的にはリスクヘッジになるかと思います。
小林:特に最近だと、上場株の機関投資家が未上場投資をするケースも見られるようになってきました。彼らも、上場後のマーケットで、どのくらいの株価感になるのかを意識しながら投資していると思うので、そうした人の視点も織り交ぜながら上場準備をする重要性が今後より一層増していくように思います。
*本記事はVoicyの放送を加筆修正し(ライター:代麻理子 編集:正田彩佳)、signifiant style 2019/11/8に掲載した内容です。