未上場時に、時価総額が同水準の上場企業と自社を比較する

小林:特に、レイター期の未上場スタートアップだと、バリュエーションが数百億円中盤〜後半程になることもありますが、そうなると、価格の妥当性について、同じ規模の時価総額の上場株と比較されることになります。「このバリュエーションなら、既に上場している企業の方が割安ではないか?」と見なされるような水準だった場合、上場前はなんとかしのぐことができたとしても、IPOがうまくいかなくなったり、上場後に一気に株価が下落したりといったケースが、より多く起きることでしょう。

朝倉:スタートアップは上場して初めて、市場の評価にさらされるわけですが、未上場の段階からマザーズやその近辺の上場後のマーケットの値動きを、常に先行指標として注視しておくべきなのでしょうね。

今はバリュエーションが数百億円のスタートアップが世の中に多々存在しますが、「自分たちと同じくらいの時価総額の上場企業には、どのような会社があるのだろうか」と比べてみるのもいいのでしょう。「果たしてそれらの企業よりも、自分たちのほうが、価値が高いと言えるのか」は、自身に問うべきストレステストかもしれません。