変わらなくてはならないのは上司ばかりではない。フォロワーもまた変わらなければならない。再三言うが、上司に答えなど求めてもしかたがないのだ。部下たる者は、上司や会社が蓄積した経験則の多くが役に立たないことを知り、そんなことぐらいで上司を糾弾せず、上司を上手に教育してさらに上層部に話を通すために使う、くらいのことを考えておかなければならない。新しい時代に何が必要なのか、どのようなビジネスが通用するのか、自分なりの仮説を常に用意し試す。世の中の事例をたくさん調べて社内外にそれを発信し、権威なき管理職に頼ることなく、自ら直接有力者と話ができる回路を開くことなどを心がけるべきだ。

 上司にはもう期待せず、適当に使えば良い。変革期は若い人にとってはチャンスだ。幸い上層部も今は変化をしなければならないという危機感を持っている。中間管理職が「どう変化すべきか」という仮説すらも持ち合わせていないことがわかったのなら、むしろあなたに大きなチャンスが到来していると考えたほうが良いだろう。

(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)