──有線でいいと。

 だって機械ってじっとしとるから。動き回る機械ってAGV(無人搬送ロボット)くらいでしょ。通信速度が上がったとして、無線で機械をつなぐには送受信機を新たに埋め込まなくてはいけないし。そこまでしてどんな効果を得られるのかも考える必要がある。

──では、5G関連の投資についてはどうですか。

 基地局の投資は中国を中心に増えていますので、安川でも製造装置向けの受注は期待しています。

 5G対応端末の製造装置向けの部品についても、スマートフォンメーカーが20年9月に設備を入れ始めるといわれているので、逆算すると春節明け(1月末)には受注が出てくるだろうと見ています。

──やはりアップルがドンと仕掛けてくるんでしょうか。

 そう思うやろ? でもわれわれは、本気で5G対応端末の製造に動くのは中国系のオッポ、シャオミ、ファーウェイの方じゃないかと見ています。アップルの端末は5G対応端末の普及の起爆剤にはなると思いますが。

──5G関連以外の受注についてはどうですか? 19年度、安川は米中貿易摩擦などの影響によって世の中の設備投資がストップした関係で、営業利益率が3年ぶりに10%を下回る見通しですが、20年度に入れば盛り返すことができるでしょうか。

 営業利益率10%超に戻せるかどうかは別にして、盛り返してはきます。全体的に設備投資が増えてきていますから。なぜかというと、みんな“米中貿易摩擦慣れ”したから。慣れるまでは様子見していたけど、いまや米中の問題が解決しない状況下で競争に勝てる方法を考え始めている。