日立とも三菱電機とも
一線を画す理由

──なるほど、もはや単品でビジネスを展開する時代ではなくなったと。で、安川はそういった工場の効率化のどこまでを請け負うのですか。

 工場の効率化にもいろいろアプローチの仕方があるんですが、われわれは、(クラウドで機械のデータ解析等を行う)富士通や日立製作所、IBMとも、(プログラムに従い、機械を自動的にコントロールする電子機器を展開する)三菱電機、オムロンとも線を引いた。ずばり、セル(生産工程における複数のユニットのかたまり)の最適化までしかやりませんと。

──どうしてセルまでしかやらないんですか? 工場全体をつなげるなど、もっと上位にまで進出した方がもうかりそうな気がしますが。

 それは違う。同じ工場は世の中に一つもない。ということは、工場全体の最適化を担おうとすると、(顧客ごとに個別に対応しなくてはならず)ばかみたいに人の手が掛かって全くもうからない。だいたい、どうすれば工場全体が最適化されるかきちんと分かるお客さんは、生産技術部門を持っとって、IT部隊まで抱えてすでに自分で最適化に動いています。

 そもそも、われわれはコンピューターに特別強いわけでもないし、コンサルティングを生業としているわけでもない。強みを生かすためには、セルまでと限定して業務を担うのがベストなんです。

──確かに、安川はセルにおける主役を持ってますね。

 基本的に、ロボットとサーボがセルの主役やからね。それにインバータがあったらセルのほとんどを網羅できる。