──工場の部分最適から全体最適を目指すのがアイキューブ メカトロニクスだとして、これまで個別に動いていたサーボとインバータ、ロボットの部隊は融合できるものですか?

 営業部門はすでに一本化していて、今、最後に開発部門を一体化しようと福岡県に研究開発拠点を造っているところです。最後の砦が開発部門。ここはなかなか言うことをきかん(笑)。私も技術屋上がりだからあんまり文句は言えんのやけどね(笑)。強制的に一本化させるために、空港並みに壁や柱のない約10000m2のフラットな建屋を造っている。

小笠原浩安川電機社長Photo by C.T.

──技術者出身だけに、そのくらいしないと駄目だということが分かっているわけですね(笑)。

 そう。実験室には壁があるんだけど、その壁もガラス製。残念ながらブラインドはあるんやけど(笑)。何でもかんでも誰にでも見せるのかといわれると、そうもいかなくて。

──今後は、つなぐことを前提にしたサーボとインバータの開発なんかもするってことですよね。

 その通りです。サーボとインバータで同じ部品を使っているなら、共同調達もする。これまでは、買った後で比べてみたら同じものを買っていた、なんていうこともあって。馬鹿やないかと。そういう無駄を気付きやすくするのがデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みの一環になります。コードを統一して部品を管理する。20年は、安川にとってDX元年です。

5G対応端末の勝者はアップルではなく
シャオミ、オッポ、ファーウェイ?

──元年といえば、20年は、次世代通信規格「5G」の普及元年ともいわれています。FA業界はさぞ沸いているのでは?

 5Gで工場が変わるのは、数年先の話よ。しかも、5Gが活用されるのは機械を調整したり、監視したりするためのAR(拡張現実)などの世界であって、生産の中枢ではない。基本的に、工場内はケーブルで十分つながるから。