――筆者のダグラス・フェイス氏は米ハドソン研究所のシニア・フェロー。ジョージ・W・ブッシュ政権で国防総省の政策担当次官を務めた。 ***  米トランプ政権が打ち出したイスラエルとパレスチナの中東和平案を、どう受け止めればいいのだろうか。批判的な人々は、パレスチナ人に約束する内容が不十分なため、和平案は失敗に終わると警告している。  まず、和平は全く実現不可能かもしれないことを認めよう。イスラエルの敵は、イスラエルがなくなることによってのみ和平は可能だと言う。それは武装闘争を通じて、あるいはパレスチナ難民の「帰還」によってユダヤ人が人口の過半数でなくなれば実現するという。