断絶!電機サプライチェーン#6Photo:Asia Images/gettyimages

イザヤとは旧約聖書に登場する預言者だ。その名を冠した台湾のエレクトロニクス業界調査会社、イザヤ・リサーチは、業界の近未来を的確に見通す調査力で高い評価を得ている。特集『断絶!電機サプライチェーン』(全8回)の#6では、メーカーの経営層や投資家が知恵袋として頼りにするこのアナリスト集団に、新型肺炎危機の後の産業界について聞いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

台湾のアナリスト集団
イザヤ・リサーチの提言

――新型肺炎の感染拡大によって、電機のサプライチェーンには何が起こっていますか。

 さまざまな製品で、生産と出荷に大幅な遅れが生じています。顕著なのは米アップルのAirPods Pro。サプライヤーは従業員を集められず、ベトナム工場での生産拡大を計画しましたが、現時点ではうまく進んでいません(本特集#1参照)。

 アップルは業績予想の下方修正を発表しましたが、実は既存のiPhoneシリーズについてはそんなに大きな影響は出ていません。最新機種の11などは市場に流通在庫が潤沢にあるからです。しかし、新機種には影響が出そうです。3月頭に発売される予定だったSE2は、出荷時期が4月頭にずれ込むでしょう。数量も当初の計画を下回ります。