米連邦準備制度理事会(FRB)の臆病な対応の時期は終わった。FRBは15日夕、新型コロナウイルスが経済に与える打撃に対処するため、2008年の金融危機の際に活用した武器を引っ張り出した。市場がどう評価するかは16日に分かるだろう。ただし、2008年の金融機関の支払い能力に対するパニックに適用した方策が、パンデミック(感染症の世界的大流行)に伴う流動性面のパニックにも有効かどうかは、全く定かではない。FRBは今週17、18日の定例会合よりも前に行動した。これが金融市場のさらなる混乱の回避を狙った対応であるのは、間違いない。株式市場、債券市場の乱高下に巻き込まれた金融機関の流動性の問題を解消できるなら、こうした対応には意味がある。高利回り債や地方債のスプレッドは既に拡大しており、より深刻な金融パニックにつながりかねない機能不全を防ぐために先手を打つのは賢明だ。