ゴーン被告の刑事責任はどうなる? ゴーン被告の刑事責任はどうなる? Photo:Takashi Aoyama/gettyimages

「私はいまレバノンにいる」――。無罪を主張しつつ、正々堂々と法廷で争うことなく日本から逃亡した元日産会長カルロス・ゴーン被告(66)=金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)などの罪で起訴=。日本政府は国際刑事警察機構(ICPO)を通じレバノンに身柄拘束を要請しているが、レバノン側は否定的な姿勢で、日本で公判が開かれる見通しは立っていない。一方で主役不在ながら、行政処分は既にゴーン被告の不法行為を認定し、司法も脇役(共犯)の公判で有罪を追認する可能性がある。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

日産の課徴金命令受け入れで不法行為認定

 大きく報道されていないので気付かなかった読者の方も多いと思うが、金融庁は2月27日、ゴーン被告らの役員報酬を過少に偽って有価証券報告書(有報)に記載した金融商品取引法違反があったとして、法人としての日産に約24億円の課徴金の納付を命令した。

 これに先立って昨年12月、証券取引等監視委員会(SEC)は同額の課徴金を納付させるよう金融庁に勧告していた。

 SECは東京地検特捜部とともに事件を捜査(SECは行政機関なので正しくは調査)して同法違反容疑で地検に告発した、金融庁に属する「審議会等」の一つだ。そして、法令違反が認められた場合、行政処分を勧告するのもSECの役割だ。