新型コロナウイルスの世界的な大流行は、欧州へとその中心が移り、今後は米国やアフリカでの感染拡大が危惧されている。第一財経は中国最大の経済情報メディアで、2020年上旬、ネット上の単なる噂にすぎなかった「武漢における原因不明の肺炎のまん延」の裏付け取材を敢行し、12月末に報じたことでも知られる。その第一財経マガジン合併号特集に掲載された、武漢での肺炎まん延による混乱を詳細に報じたルポを、特別翻訳してお届けする。Vol.3は新型コロナウイルス肺炎で、前例のない暇な春節に直面した消費・旅行市場の混乱を詳報する。
各消費産業関係者は、関連する税金減免政策を打ち出し、同時に企業自身が適切な変革を行い、難関を乗り切るよう呼びかけている。
2020年は最も忙しい春節休暇であり、最も暇な春節休暇だともいえる。新型コロナウイルス感染が発生して以来、第一線の医療関係者と関連業者は非常に多忙で、春節全体が繁忙期状態にあった。
しかし、同時に大多数の消費業界と業者は異常なほど暇な状態にある。第一財経の記者はこのほど取材を通して、人々が外出を控えるようになってから、ホテル業、旅行業、飲食業、アルコール飲料業者、映画娯楽業などの産業はさまざまな影響を受け、これらの産業の従業員が突然無職に陥った様子を見聞きしてきた。中には無職になり、ずっと家に篭り、貧しい生活を送っている人もいる。
中国観光協会レジャー支部会長の魏小安会長は、19年の中国観光業の総収入は6.5兆元で、一日の平均178億元の損失が出ていると指摘した。「新時代メディア」は、2020年の春節期間の興行収入が70億元に達すると予想していたが、春節期間の消滅によって、興行収入は20億元超の減少となったことが分かった。各消費産業の関係者は、関連の税金減免政策を打ち出し、同時に企業自身が適切な改革を促し、難関を乗り切るよう呼びかけている。