新型肺炎クライシス#14
トイレットペーパーが払底した米国首都ワシントン郊外のスーパーマーケット。品薄になっている商品は、さらに広範囲に広がりつつある Photo by Ryuko Sugimoto

中国から始まった新型コロナウイルスによる肺炎は、世界に拡大している。欧州に続き、感染拡大が顕著となった米国では、トランプ米大統領が「これは戦争だ」と宣言し、感染拡大防止策と経済対策にやっきだ。この非常事態は市民生活をどのように変えつつあるのか。特集『新型肺炎クライシス』、今回は首都ワシントンに滞在中の記者が、現地からお伝えする。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

米ワシントンでも起きた買い占め
わずか2日で消えた生鮮野菜

「ブロッコリーが消えた!」。ワシントン郊外のスーパーマーケットで、記者は劇的な変化にがくぜんとした。おとといの時点ではみっちりと商品が並んでいた生鮮野菜の棚が、わずか2日後には特売日の夜のようにスカスカになっていたのだ。

 売り切れや極端な品薄になっていたのはブロッコリーやパプリカ、マッシュルームなど。ほかの商品も、2日前に比べて全体的に量が少ない。店内を見て回ると卵や精肉、パンなどの棚も急速に品薄になっていた。取りあえず何か買わねばという心理になり、青ネギを1束かごに入れた。

野菜売り場
ワシントン郊外のスーパーの生鮮食品コーナー。おとといまで潤沢にあったブロッコリーが消えた Photo by R.S.

 記者は3月1日から米シンクタンクの訪問フェローとしてワシントンに滞在している。米国に来て以降、全米の新型コロナ感染者数は増加を続け、13日にはトランプ大統領が国家非常事態を宣言した。この宣言を境に起こったのが、トイレットペーパーやハンドクリーナーの買い占めだ。日本で起こったようなパニック消費が、ここでも起こったのだ。ただ記者は、「生活必需品はすぐ供給される。慌てて買う必要なし」と静観の姿勢だった。

 だがスーパーで、ごく短期間でさまざまな種類の食品が姿を消していくのを目の当たりにして、嫌な予感が浮上してきた。「これは単に買い占めが広がっているだけではなく、食品の供給される量やスピードが急低下しているせいではないか?」という不安だ。