――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  これまで石油を巡って数々の戦争が起き、石油がないために敗北した。だが突然、誰も石油を欲しがらなくなった。  世界で最も重要な資源である石油は、使うよりも持ち続けることで価値を生むようになりつつある。通常であれば、エネルギー生産者のバランスシートを傷つけるような価格崩壊によって、消費者は少なくとも「残念賞」にあずかれるのだが、いまは自動車に給油したり、飛行機に乗ろうとしたりする人がほとんどいない。強いて言えば、エネルギー施設を運営する企業の一部がまあまあの利益を出せる程度だ。