レムデシビルは4月中
アビガンは6月末の朗報に期待

 4月3日、富士フイルム富山化学は、COVID-19に対するアビガンの第3相臨床試験(企業治験)の詳細を明らかにした。

 それによると、試験の対象は、非重篤な肺炎を合併した患者。年齢は20歳から74歳で、胸部画像での肺病変、37.5度以上の発熱がある者。酸素吸入が必要な患者は組み入れず、労作(身体を動かしている)時のみ呼吸困難を呈する肺炎の患者のみを対象とする。

 被験者は、アビガンを投与する群とプラセボ(偽薬)投与群に割り付け、28日間かけて有効性と安全性を評価する。目標症例数は96例。用法・用量は、1日目のみ1回1800ミリグラム×2回、2日目以降は1回800ミリグラム×2回で、最長14日間、経口投与する。

 目標症例数が現状の96例のまま変更がなければ、6月末にも試験が終了する見通しで、富士フイルムは、データ解析後、速やかに国内で承認申請する考えを示している。

 現在、アビガンに対する期待は世界中で高まっており、菅義偉官房長官は3日の記者会見で、「外交ルートでアビガンの提供要請があった約30カ国に対して、日本政府から所要の量を無償で供与すべく調整を行っている」と述べた。政府はアビガン提供の見返りとして投薬データの共有を求める方針で、治療効果の早期の確認につなげていきたい考えだ。

 一方、レムデシビルの治験は、順当にいけば4月中には結果が得られる予定だ。だが、アビガンと違い、日本ではまだ未承認の薬なので、よい結果が出たとしても、標準治療薬として実用化されるには時間がかかり、緊急性を考えて特例扱いされたとしても、「最短でも年内の承認」というのが大方の見方だ。

「出口が見えない」と言われてきたコロナショックだが、標準治療薬が定まれば、恐怖心が和らぎ、世界中が前向きになれるような気がする。期待のし過ぎはいけないが、とりあえずは6月末の朗報を待ちたい。