商社3
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エリートのみが入社を許される総合商社。高給と終身雇用が約束されるが、商社を去る若者が増えているという。五大商社に入社後数年内で退社した20~30代の元商社マン4人に、実際に体験した商社内部のリアルを語ってもらった。特集『最後の旧来型エリート 商社』の#3では、退社した若手の声を通して商社のリアルを紹介する。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

大山健一さん(仮名):20代、非財閥系商社のインフラ部門出身。
梅本浩二さん(仮名):30代、財閥系商社のエネルギー部門出身。
本田順三さん(仮名):30代、非財閥系商社の機械部門出身。
北川修造さん(仮名):30代、財閥系商社の食料部門出身。

総合商社を辞めたワケ
「転勤が多い」「専門性が身に付かない」

――高給・安定の総合商社。なぜ辞めたのですか?

大山 元々、入社時から数年で辞めようと思って入社したんです(笑)。スタートアップ企業で勝負したいと考えていたのですが、その前に総合商社のような大企業で経験を積もうと。

梅本 自分のキャリアを自ら選択できないことに違和感を覚えました。確かに若いときであれば、自分では思いも寄らぬ国に駐在して仕事ができるのは良い経験。ですが、奥さんや子供がいる中で、来月からアフリカ行け、ロシア行けと言われるのはちょっと違うんじゃないかなと。自分の人生なのに、少しもコントロールができず、会社に人生を決められるのが嫌になりました。

本田 これは皆さんそうじゃない?(笑)

一同 うんうん(笑)

梅本 あと、もう一点。海外の事業会社に投資をして、人を送り込むというビジネスモデルは非常に面白い。ただ、肝心の経営を回すノウハウが欠如していると感じました。投資なら投資、経営なら経営で、しっかりスキルを身に付けられる環境に身を置きたいと。

本田 同じく。辞めた理由は、専門性が身に付かないと感じたから。

北川 市場で評価されるスキルが身に付かないのはよく分かる(笑)。商社の中で身に付くスキルを「企業内特殊熟練」と私は呼んでいます。その企業で働く分には、非常に役立つスキルなのですが、他の企業では全く評価されないスキルが多いのです。