商社#2
Photo by Masato Kato

伊藤忠商事会長CEO(最高経営責任者)の岡藤正広氏が4月15日、ダイヤモンド編集部の単独インタビューに応じた。2010年の社長就任以降、当時業界4位だった伊藤忠をトップ級に引き上げた異能の商人は、新型コロナウイルスの感染拡大が業界に激変をもたらすと予言し、ライバルの三菱商事に勝ち続けるための戦略を明かした。特集『最後の旧来型エリート 商社』(全13回)の#2では、岡藤氏へのインタビュー全文をお届けする。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

越後正一、瀬島龍三から
受け継がれる伊藤忠の執念

――最近まで3兆円あった伊藤忠商事と三菱商事の時価総額の差が縮まっています。この原因についてどう考えていますか。

 社員がコツコツと一生懸命やってくれた、その積み重ねとしか言いようがない。

 昔は三菱(商事)、三井(物産)、住友(商事)という財閥系商社が常に前に立ちはだかり、その壁は高くて厚かった。うちは大阪の繊維商社として始まり、東京へ攻めて総合商社になろうとしたが、大口の電力会社や製鉄会社に全く相手にされなかった。

 それを元会長の越後(正一)さんが、瀬島(龍三)さんの人脈を使って、中国ビジネスに活路を見いだしたりして一生懸命戦ってきた歴史がある。そういう本を読むと、いかに財閥系商社がすごかったんかが分かるし、一朝一夕にはなかなか崩せない。彼らと同じ商売をしていたら、絶対に勝てないわな。

 だからやっぱり瀬島さんのように、相手の弱いところを見て、そこに勝負をかけていくことをしないといけない。