五大商社の平均年収は、この10年間で200万円以上もアップした。中でも三菱商事の平均年収は1600万円を突破。高給取りの実態に迫るとともに、婚活や海外駐在など商社パーソンの結婚事情についても紹介する。特集『最後の旧来型エリート 商社』(全13回)の#8では、総合商社マンの給与・婚活・結婚のリアルを紹介する。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
就活人気ランキングでは上位を独占
女性の総合職も急増中
年収は右肩上がり、婚活では引く手あまたで、夢の海外駐在。総合商社は勝ち組か――。
就活生の間で総合商社の人気が止まらない。ダイヤモンド・ヒューマンリソース調べの2021年卒業の就職人気ランキングでは、伊藤忠商事、三菱商事がワンツーフィニッシュとなり、トップ10に総合商社6社がランクインした。
商社が以前から人気業界の一つであることに疑いはない。ただ、今日の圧倒的な人気の背景には、ワケがある。
「学生の二極化が進んでいる。内向的な学生は、地元で就職し、楽な仕事を好む。一方、外交的な学生は、グローバル企業で、多少ハードでも世界を相手にしたビジネスをしたがる。入社の数年後から海外で働くことができ、事業投資などビジネスの規模が大きく、外交的な学生の心をがっちりつかんでいる」(新卒採用支援関係者)
総合商社との接点を広げるため、特設サイトを作成するなど、自らOB・OG訪問の機会をセッティングしていることも高評価の要因。「ダイバーシティーを進めるべく、OB・OGがいない大学からの採用を強化している。昨年も初めて採用する大学・学部の学生が一定数いた」(同)と採用戦線にも変化が生まれている。
このダイバーシティーは女性総合職の増加にも表れる。「1990年代は、総合職として入社する女性は新卒で1~2人。いずれも仕事第一の“バリキャリ”だった。今や、総合職で入社する人のうち毎年20%ぐらいが、女性になっている。出産や育児といった女性としてのキャリアを両立したいという女性が増え、結婚による離職はほとんどない」と、三井物産社員のある社員は内情を明かす。