新型コロナウイルスの感染拡大が企業の決算や監査作業に困難を生じさせる中、金融庁など関係省庁は、株主総会開催の柔軟化や有価証券報告書の提出期限の延長など、企業や監査法人の負担を減らす特例的な措置に乗り出した。特集『日本企業 緊急事態宣言』の#22では、危機対応の株主総会に向けて、ジレンマに直面する企業や投資家をレポートする。(ダイヤモンド編集部副編集長 布施太郎)
異例の株主総会2段階開催
法務省も容認へ
2020年3月期決算・監査の取りまとめ作業が遅れる企業が続出する中、金融庁や法務省、経団連、日本公認会計士協会、東京証券取引所などでつくる協議会は15日、6月末までに開く定時株主総会を2段階で開催することを認める声明を発表した。すでに、金融庁は決算日から3カ月以内の提出が定められている有価証券報告書の提出期限を9月末までに一律に延長する内閣府令の改正を実施。株主総会の開催も柔軟に対応できるように調えた。
「普段は腰の重い法務省でさえ、今回は大きく踏み込んだ。企業や監査法人は趣旨を十分に踏まえて活用してほしい」。金融庁の幹部は、こう意義を強調する。
株主総会の「2段階開催」とはどういうことか。