ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとって、今年は記念すべき1年になるはずだったが、ここにきて最大の試練へと変わりつつある。プーチン氏は国民を結束させ、国際舞台でロシアの影響力を固めるのは自身しかいないと訴えているが、新型コロナウイルスの流行や原油価格の急落に加え、20年にわたる長期政権への信頼感低下がプーチン氏の目算を狂わせている。一連のインフラ整備を加速するため今年に入り首相に任命したミハイル・ミシュスチン氏は、コロナに感染し入院を余儀なくされた。ロシア国民は何年にもわたり、老朽化した道路や橋などへの不満を抱えていた。ソ連時代からの病院は、医師不足が深刻で待ち時間が長く、学校の多くも保全管理がずさんだ。政府は4000億ドル(約42兆6000億円)規模の支出計画でインフラを刷新し、数百万人の雇用創出を狙っていたが、歳入減により計画は調整を余儀なくされることを認めており、プーチン氏の功績を脅かしている。
プーチン氏正念場、原油安やコロナ禍で目算狂う
記念すべき1年になるはずがこの20年で最大の試練に
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